くじらすいそう

鯨と申します。特撮や映画など、諸々について書いていきたいです。 Twitter:@Cuzilla0723

質問箱と道具的関係

「なんで質問箱にそんなにちゃんと答えるの?」とたまに聞かれる。確かに、僕は質問箱に来たメッセージに対して過剰なくらい丁寧な回答を返す傾向がある。

適当に返すことももちろんあるが、受け取ったメッセージの内容によっては1000字を超えることもある。自分でも異様だと思う。こんな長文打ち返されたら質問者もビビるだろう。ごめんね。

 

先日も、彼氏のマナーが悪いのをどうにかしたいといった内容の相談?が来たので、結構長めに答えた。僕は別に岡田斗司夫でも中島義道でも伊集院光でもないのだけど、たまにこういうヘビーなものが来る。

僕の何かしらの能力に期待して明瞭な答えを求めているのか、ただ聞いてほしいだけなのか。いまいち判別がつかないが、いずれにせよ僕に求められているのは回答を書くことなので、とりあえず書いてみる。気がつけば結構な文量になっている。

 

確かに、傍から見れば結構面倒な作業に見えるはずだ。

単純に文章を作るのはそれなりの作業だし、やはり何かしらの悩みを抱えている人の話を聞き、顔も名前もTwitterアカウントも知らない彼/女に害にならないような文章を拵えるというのはハードなことではある。

 

だが僕はこれをそれなりに楽しんでやっている。回答を作ることそれ自体が楽しくて、自分がそうしたいから、そのようにしている。だから別に負担ではない。

 

なぜそんな面倒でハードな作業を楽しめるのか?それは、僕が他人に必要とされたい、いや、他人に必要とされているという幻想を抱きたいからだ。

こういうことを言うと気持ち悪がられるだろうけど、僕はなるべく正直でいたい。

 

質問箱には色々なものが来る。

先に挙げたような相談紛いのものがあったと思えば、下ネタをただ投げつけるようなものが来たり、文意の取れない発狂や、文意は取れてもわけのわからない何かが投下されていたりする。

 

僕はそういった訳のわからないものに対しても、それなりに嬉しいと思っている。なぜか?それがどのような意味にせよ、僕を必要としてくれているからだ。例え、「ただ下ネタを投げつけて困らせる快楽を得たい」という悪意としか言いようのないものであったとしても僕が必要とされていることに変わりはない。

だからそういう変な質問?にもなるべく答えるようにしている。相手をすれば、質問者は増長して変な文をもっと送ってくるだろう。望むところだ。そうやって悪意を投げつければいい。投げつける相手として、僕を求めてくれればいい。

 

悪意でさえ嬉しいのだから、いわんや、真面目な相談を投げつけられて、僕が喜ばないはずがない。僕でよかったらいくらでも話を聞くし、それなりの回答を拵える。無償の奉仕者にさえなる。だって嬉しいんだから。僕を必要としてくれている人がいるのは嬉しい。

 

 

ここまで書いて、我ながら変態的というか、倒錯しているなと思う。悪意を投げつけられて喜ぶ?無償の奉仕者になる?こんなものはマゾヒズムじゃないか。ご主人さまの奴隷じゃないか。

 

ある意味ではその通りだ。僕は僕が求められる限りにおいて奉仕者であることを厭わない。むしろそれを快いとまで言っている。それはマゾヒズムだと名指されて然るべき欲求であり性癖だ。

しかし、僕は別にご主人さまに従属したいわけではない。奉仕者になることと従属することは違う。

 

ここで思い出してほしいのは、質問箱がTwitterアカウントさえ表示されない完全匿名のサービスであることだ。

僕は質問者のために、それなりに腐心して回答を作る。彼/女はそれを見て、満足したりしなかったり、喜んだり怒ったりするだろう。だが、僕は彼/女のそういった反応を見ることができない。

できなくていい。だってそんなものはどうだっていいのだから。僕は僕が回答者としての役割を求められればそれでいい。僕は求められることに快楽を感じているのであり、質問者の幸福を喜んでいるのではない。質問者がどうなろうが、知ったことではない。

だから、僕が質問に丁寧に答えるのは、質問者のためではない。それなりに良い回答をして、また次に誰かに回答者として求めてもらうためだ。(もちろん、質問者の状況が良くなってくれると嬉しいとも思ってはいるけれど、それは実際はサブの目的に過ぎないことを僕は自覚している)

 

なぜ僕がそんなに求められたいのかという問いに答えるのは精神分析とかの知見を使わないと厳しそうなので置いておく(僕自身はヒーロー番組によって培われたメサイアコンプレックスが関わっていると睨んでいる)として、ここで注目したいのは利用する-利用される関係の逆転だ。

質問者は意地悪に言えば回答者を利用して、解決の糸口を見つけたり、自分の心を落ち着けたりしている。しかし、僕が回答者として選ばれ、選ばれたことに快楽を見い出したとき、僕は質問者を利用して快楽を得ていることになる。

利用するはずだった質問者は、利用されるはずだった回答者に利用されている。

 

だから別に質問を躊躇わなくてもいい。どんな内容でも送ってくれて構わない。僕はあなたを利用したいだけなんだから。

 

 

質問箱を送るハードルを下げようと思ってこういうことを書いたが、こんな内容を公開すると逆に質問が来なくなるかもしれない。誰も自分を利用されたくはないだろう。

…ここに書いたのは全部ウソです。

ぜ〜〜〜〜〜んぶ、ウソ!!!!!!