ストレスフルガール源静香
最近は酷く寒い。
ちょうど1か月前に引っ越してきたこの部屋は、馬鹿でかい窓が2つもある。寒い。
ここ数日のブログを読んでくださった人ならお分かりだろうが、最近どうにも調子が出ない。あらゆることにやる気が起きない。なのに、時間は飽きもせず進んでいき、タスクはしっかり積み上がり、部屋はどんどん汚れ、生活は破綻する。焦る。脳の義務感を司る部分がカラカラと回るが、どの歯車とも噛み合っていない。焦る。疲れる。寒い。
そう言えば冷蔵庫が空だった。食料品を買いに行かなければならない。が、寒い。またタスクが増えてしまった。腹は減る。焦る。寒い。疲れる。腹は減っている。
とにかく、コーピング(回復行動)をしなければならない。
酒や煙草は控えている。食糧を買ってきて調理する体力はない。1人で外食に行くのは月末に金欠になる自分を思って気が乗らない。そもそも寒いから出たくないし。散歩なんてもっての外だ。
そうなると、僕に残された選択肢は1つ、入浴だ。と言っても、バスタブが小さすぎるので、シャワーを浴びることになる。
ガス給湯器の設定温度を50℃にする。熱すぎるくらい熱いお湯を浴びる。この時間だけは、それなりに心が楽になる。耳を打つ水の音が、義務感モーターの回転音を覆い隠す。部屋と同じくらい淀んでいるはずの身体が清潔になっていく。
コーピングとしての入浴はちゃんとした入浴とは別枠だ。シャンプーやボディソープは使わない。ただ、滝行のように頭からお湯を浴び、ボーっとする。ある種の瞑想なのかもしれない。時間を忘れ、ただ、熱さと音だけの世界に放り込まれる。
こんな入浴を毎日、いや、日によっては2,3回している。しずかちゃんかよ。
仕方ないじゃないか。これしかコーピングの手段が無いんだから。
そう考えると、しずかちゃんの風呂好きだってストレスからの回避行動なのかもしれない。ストレスフルガール源静香。不可抗力の事故とはいえ、コーピングの現場にどこでもドアで現れる野比のび太とかいう男、許せねえな。
そんなことを考えながら入浴コマンドを連発し、どうにか稼ぎ出した精神力で今日は外出することができた。
帰ってくると、ポストに請求書が入っていた。
え~っと、ガス代が、7517円か…。7517円!?!?!?!?
…。