鬼の居ぬ間などはなく
酷い目に遭った。
ここ数日、金沢では雪が降っている。鬼のように寒い。最低気温も連日氷点下を記録している。福井の出身だから寒さも雪も大して堪えないだろうとタカを括っていたけど、金沢は福井よりも少し寒いし、今年の雪は結構多そうだ。しんどい。
まぁ金沢での冬は2回目なので、それは覚悟済みなんだけど、今年は去年とは事情が少し違う。今月の頭に引っ越しをしたからだ。物件売買にともなって不動産屋に頼まれて旧居を出払い、隣町に移ることになった。1kmも離れていないけど、結構勝手が違う。
その一例が洗濯機だ。今の部屋では、洗濯機がベランダにある。旧居には洗濯機がなく、アパートのコインランドリーで洗濯していたし、ベランダもなかったので、「ふ~ん、こういう家もあるのか」くらいに思っていた。
今朝。洗濯機のスイッチを入れると、エラーメッセージが表示された。
どうもホースが凍結して注水できなくなったらしい。やれやれ。
とりあえず昼のうちに溶けることを期待して、夕方まで放っておいた。
夕方。まぁ案の定というか、凍ったままだった。やかんのお湯をかけて溶かそうにも、凍結箇所がわからない。
凍結箇所の同定のために注水ホースを外す。凍っていたのはホースのその先、洗濯機の注水口だった。水が噴き出してびしゃびしゃになってしまった。
寒い!(煉獄杏寿郎)
びしゃびしゃになりながらも、どうにか解氷を遂げ、洗濯を始めた。
注水を終えたのを確認し、さてこれで安心と息をつくと、またもエラーメッセージが表示さた。
どうやら排水の方のホースが凍っていたらしい。洗濯物がどうしようもなく水に漬かったままになっていた。
外はクソ寒い。さっき濡れたままになっているから本当に洒落にならない。
しかしこの洗濯物をそのまま放置するわけにもいかない。翌朝には氷漬けになってしまう。
洗濯物はとりあえず救出して、バスタブに放り込んだ。
水が張ったままの洗濯機を放置するとドデカい氷塊ができてしまうかもしれない。洗面器でできる限りの排水を試みる。当然、びしゃびしゃと水がかかる。寒すぎる。
大急ぎで排水を終わらせ、シャワーへ駆け込む。
いや、バスタブに洗濯物あるからシャワー浴びれないやん。
どうしてこんなことになってしまったんだろう?冷静に考えれば予見できたはずだった。
注水ホースが凍っているのだから、排水ホースもそうなっているのは明らかだ。
やれやれ。どうして僕はそんなことにも気がつかなかったんだろう。
見込みが甘かった。冬の厳しさというものを舐めていた。北陸出身なのに。
北陸の人間として、不甲斐なし。風呂があったら入りたい。
まぁ結局は寒さに耐えながらどうにか浴槽で濯ぎを終え、事なきを得たのだけど。
こんなことはもうしたくない。
今後の洗濯はどうしようか。毎回寒風に耐えながら、解凍作業をするしかないか…